月城かなとさんについて書きたい(2020年9月ver.)
れいこちゃんがすごい…
9/25から幕が開いた
「WTT」と、「ピガール」
月組はコロナの影響で一番最後のスタートとなり7ヶ月のおうちステイでした。
あと2週間くらいからそわそわしだして、無事初日を迎えた時はほぼ突っ込む勢いの前のめりで見てまいりました。
れいこちゃんがすごい… の一言です。
れいこちゃんがすごすぎて、本当に久々にブログを書いています。
まずは私のいままでのれいこちゃんの印象を語らせてください。
顔が綺麗なのは周知すぎて言及するまでもありません。
ちょっと諸事情あって1公演を60回見た時も、とにかく安定していること、歌がうまくてお芝居もうまくて穴のない「優等生」の印象が強くあります。
1演目同じ配役で100回以上の公演を行う宝塚ですから、安定感は本当に大きな武器だと考えています。
性格は結構な人見知りさん。でも、慣れたらわんこみたいに懐いて、上級生に言わせると「ひょうきん」で内部では結構面白い人らしい。
(この絶世の美女を「ひょうきん」と評した彼の人はさすがです)
…ということで、個人的には舞台での優等生イメージが強く、前作(2019冬公演)のIAFAでも「上手だな」と思って見ていました。上手で、きちんとした、いつものれいこちゃんだと。
ただ、IAFA楽の前、クリスマスくらいから、テンションがものすごく上がっているな…?と思ったのを覚えています。もちろん、いい意味で。
初の「二番手」としてやり通した1演目の、最後の最後になにかが目覚めそうな気がしました。
れいこちゃんがすごいとは
すごいとは、なにがすごいのか。
まず今回の演目とれいこちゃんのお役のシンクロ率がすごい。
WTTで得意な日本もの。雪組出身のれいこちゃんはしゃべ化粧もお手の物、月の組子にいろいろ教えてくださっているそうです。
ピガールは、お髭の渋おじさん。ポスターの小物感を覆して、クールに見えてひょうきんで、じつは繊細で芯の熱い優しい仕事のできるおじさん。
これはれいこちゃんのお人柄、そのままなのでは…?
れいこちゃんはその類稀なる美貌を持ちながらも、お役としてはなぜか面白い役が当てられがちです。一本物が多い月組の特徴かもしれないのですが、あまりスタンダードなイケメンのお役は来ません。
大劇場のみですが、AfOではちょっとヘタレなライバル役、カンパニーもヘタレアイドル、エリザはルッキーニ(これは番手に従ったものなので除外としても)、武蔵はひょうきんなヒモ男、IAFAはしょうもない悪徳マネージャー。二番手を背負ったのがIAFAからとはいえ、結構な色物が続きました。
そんな中での今回の「ピガール」は、トップスターのたまきさんが基本的には女役のため、がっつりお芝居する男役さんとして本当に正統派なお役がようやく来たな、という感じでした。
もちろんその端々にひょうきんな場所が漏れ出るのは、本人の気質ゆえなのか。
「ピガール」のシャルルはれいこちゃんの繊細なお芝居が各所に光るとても良いお役でした。
また、原田先生の演出と相性がいいのは間違いなく。
原田先生は「上品」な演出に拘っておられる演出家さんです。原田先生の「月城かなと」観が、れいこちゃん本人の潔癖なほど上品な世界観とマッチしていたのは間違いなく勝利の一因だと思います。
しかし、ここまで言及しても、あの輝きに「役」「演出」だけでは説明がつかない圧倒的オーラがありました。
IAFAで膨らんだ蕾が、いきなり満開に開花したようで
一体コロナで自粛している間に何があったのか…?と、友人と語り合ってしまうくらいに別人のようでした。
しかし、いつも何度も見ていて知っているはずの役者さんが、ここまで変わるとは…宝塚を見ているとこんな出会いがあるからきっとやめられないんでしょうね。
とにかく、れいこちゃんがすごかった。